最近、キャッシュフロー経営が見直されています。

 

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ここで言うキャッシュフロー経営とは、単純に資金繰りに注意するだけのものではなく「事業に的確にキャッシュを注ぎ込み、それを有効に利用して、それに見合うキャッシュ利益を生み出していく」ことをいいます。つきつめていうなら、お金がいくら残るか、あるいは足りないかで、会社の経営を見ていく手法です。

 いくら帳簿上で利益が出ても、お金がなくなると会社はつぶれてしまいます。

 経営者の方々はよく「利益があるのにお金がない」と言われます。

 そして、この考え方を徹底的に追及したのが京セラです。その結果、京セラでは在庫が経営を分かりにくくしていると考え、在庫はすべて経費にして月次報告を出しているそうです。

 もちろんこれは会計学の基本から外れた考え方ですが、お金の回転からするととても分かりやすい方法です。

 在庫は「石ころ」と同じで価値はない、今日作ったものは今日中に売り切って、在庫は捨ててしまい、残ったお金が利益であるという発想です。だから月次決算では、在庫はすべて経費として処理しています。

 私も過剰在庫が経営の首をしめる大きな要因だと常々考えていますが、こんな大きな会社が堂々とキャッシュフロー経営を続けていることに驚くとともに、これこそが、京セラが長年利益を出し続けている原点であると感じました。