東京商工リサーチで面白いデータがあります。

100年以上続いている企業に「成長性、収益性、安定性といった財務分析の三大要素のうち、最も重視するのは何ですか。」というアンケートを取っているのです。

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皆さんは、創業して100年以上続いている老舗企業が何を重視していると思いますか。いっぽうで、創業10年未満の企業は、何を重視していると思いますか。

それぞれの代表的な財務指標をあげると、成長性は売上高成長率、収益性は経常利益率、安定性は自己資本比率といったものです。さて、皆さんなら何を重視しますか。




創業して100年以上続いている老舗企業では、実に65%が安定性を重視すると答えています。いっぽうで創業10年未満の企業は、その過半数が成長性重視と答えています。

この統計を、皆さんはどのように感じますか。

安定性の代表的な指標である自己資本比率は、貸借対照表を見れば一目瞭然で、この割合が50%もあれば超優良企業といえるでしょう。

そしてこの自己資本比率を上げるコツは、税金を払うこと(=利益を出すこと)と借金をしないことです。
老舗企業は、成長性、収益性、安定性といった財務分析の三大要素のうち安定性を重視しているということですが、逆に言えば、利益を出し続けて、借金をしなかったからこそ、100年以上も経営を続けてこられたのです。

そしてまた、東京商工リサーチの別のアンケート結果によると、その利益の源泉は価格競争力ではないというのです。
創業100年以上の老舗企業が、自社の強みとして感じているものの中に、価格競争力はわずか3%程度しかありません。

このことは、継続企業を創り上げるためには非常に大切なことです。
つまり、長く企業を続けていくためには、価格ではない強みが必要だということです。

老舗企業は価格では勝負しない
同業他社が値下げをしても、うちはしないというしっかりとしたスタンスを持っているのです。