ここ数年、投資用不動産を買いたいというご相談が増えています。

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税務上の話はともかく、
事業としての有利不利は経営判断なので、
私たち税理士は何とも言えません。

ただし、予想利回りという言葉については注意しておく必要があります。



今朝の朝刊にも、
収益用不動産の広告がたくさん出ていました。

 ●アパート 築10年 
   1億5千万円 家賃収入 12百万円(利回り8%)
 ●マンション 築12年
   2億3千万円 家賃収入 21百万円(利回り9.1%)


今のご時世、
銀行に定期預金をしておいても、ほとんど利息は期待できません。

それなら、もし5千万円の余裕資金があれば、
不動産投資でもしようかと考える人がいてもおかしくないでしょう。

そして、そんな人は広告の利回りという数字に惑わされます。

でも、よく見てください。
この利回りはあくまで収入であって、手残りの利回りではありません。

そして実際には、
投資不動産の維持には固定資産税火災保険料、管理費などの費用がかかります。
また築年数の古い物件であれば、修繕費とてバカにはなりません。

さらに、もっと怖いのは家賃の見込みのブレです。

今はたまたま満室で、
その収入が維持できているのかもしれません。

でも、近所に新しい賃貸住宅ができると、
みんなそちらにお客さんを取られるという話もよく聞きます。
10%くらいの予想利回りは、
入居率が1割下がるとふっとんでしまうのはお分かりでしょう。

そんなにうまい話は、そうそう転がっていないものです。

逆に考えれば、
そもそも、そんなに儲かる物件なら、
売主も簡単には手放したりはしないはずです。

それをあえて「売りたい」というからには、
何かそれなりの理由があるはずだ…


私はいつも、そんなふうに思っています。