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政府税調が平成21年度税制改正について


・政府税制調査会(政府税調)が「平成21年度の税制改正に関する答申」を公開しました。同答申では、相続税の課税方式を遺産取得課税方式に改めることや、国際課税(外国子会社合算税制や移転時価格税制等)、固定資産税の見直しなどが提言されています。

・政府税調の答申は、どちらかというと中期的な視点での税制を論じるものです。したがって、例年であれば、法人税や所得税、消費税といったいわゆる基幹税に対する意見が多く盛り込まれるのが通常です。しかし、今回の答申では基幹税について、政府が年末までに策定予定の「中期プログラム」に注文を付ける形となっており、平成21年度税制改正に対する具体的な意見には盛りまれませんでした。

・そこで、今回の答申で平成21年度税制改正に対して具体的に提示されたのは「相続税」「国際課税」「固定資産税」の3つです。

相続税については、遺産総額をもとに課税額を決める現行の課税方式では「財産取得者の水平的公平性が損なわれる」ことから、遺産取得課税方式に改めることを検討すべきとしました。遺産取得課税方式であれば、相続人それぞれが受け取った遺産額に応じて課税額が決まることになります。

・また、国際課税については、現行の間接外国税額控除制度(海外子会社からの配当に対応する外国法人税額を税額控除できる制度)に代えて、外国子会社からの配当について親会社の益金不算入とする制度を導入するよう提言しています。この制度を導入することによって、国内に還流する利益が設備投資や研究開発、雇用など幅広く多様な分野でわが国経済の活力向上のため用いられることを期待したものです。

固定資産税については、平成21年度に対象資産の評価替えが実施される事から、地域ごとの負担水準の均衡化、適正化を一層図る必要があるとしています。

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節目の年齢での手続き


・社会保険や労働保険には、年齢により新たに保険料を控除したり、控除しなくなったりという、節目の年齢があります。これを覚えておくと、給与計算時に漏れることなく処理することができます。確認してみましょう。

満40歳 健康保険の介護保険料の控除を始める年齢です。通常誕生月の翌月の給与より控除を開始します。

満60歳 最近は定年の延長をする会社が増えてきましたが、一般的には満60歳を定年とし、退職か再雇用をする企業が多いと思います。再雇用の場合は定年前に給与額や勤務日数、仕事の内容等について話し合われる必要があるでしょう。働きながら年金を受給したい場合は、給与額により在職老齢年金が支給となります。

満64歳 その年の4月1日現在に満64歳に到達していた方は、その4月より本人、会社とも雇用保険料負担がなくなり、控除の必要がなくなります。又、失業給付は65歳以降に退職した場合は「高年齢求職者給付金」として一時金支給となりますが、64歳のうちに退職した時に受ける基本手当の6割程度となってしまいます。

満65歳 65歳以降も社会保険に加入していた場合は、給与額に関係なく厚生年金の定額部分は全額支給されるようになります。報酬比例部分の在職老齢年金の上限も上がり支給額も上がります。介護保険料は年金からの控除となるので会社での控除は終了します。

満70歳 70歳以降も社会保険に加入していた場合でも、65歳以降と同じく在職老齢年金の制度は継続されます。但、厚生年金保険料の給与からの控除は終了します。なお、「厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎・月額変更・賞与支払届」を必要な時期に提出しなければなりません。

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政府系金融機関の民営化


・国民生活金融公庫は、事業規模が小さく、担保となる不動産も持っていない小企業にとっては身近な存在でした。
・初めて公庫から資金(金額的には多くはありませんが)を借入れる際には、若干、面倒な手続き(特に保証人制度)もありますが、次回からは(返済が順調であることを前提に)借換えの手続きをするだけで融資が継続できました。
・その公庫が、平成20年10月1日から「株式会社日本政策金融公庫」として再出発しました。この政策金融公庫は、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫及び國際協力銀行が統合し、株式会社として民間の金融機関となったわけです。
・国民公庫が担っている「小口金融の専門店」としての融資機能は、そのまま新公庫に承継されるということで、従来の業務と大幅に変更になることはないようです。

(1)第三者保証人等を不要とする融資
・公庫では、次の条件を満たす貸出先には、第三者保証、保証協会の保証、不動産担保の提供がなくても融資の利用はできるとしています。具体的な条件ですが、①税務申告を2期以上行なっていること、②原則として、所得税等を完納していることです。但し、金利については、若干のプレミアムがつきます。

(2)融資を受ける際の事前準備
・あたり前のことですが、ただ漠然とお金が足りないから借りるのではなく、何のためにいくら必要なのか、さらに、返済条件をどうするのか明確にすることが重要です。例えば、買掛金の決済なのか、事業転換資金なのか、機械等の設備資金なのか、その上で、返済の原資として売上げを見込んでいる場合、期待通りに達成できるか等々、これらの諸条件を資金計画の中で整理することが大切です。その上で、有利な公的制度融資の利用を検討します。

(3)公的融資制度の内容
・公的な融資制度には、都道府県や各区が独自で設けたものと国の制度があります。都道府県や区の制度は保証協会の保証を受けて利用します。
・国の制度には「マル経融資」があり、商工会議所の推薦にもとづいて国民生活金融公庫が融資する制度で、担保や保証人、保証協会の保証が不要で低利の融資が受けられます。

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上場株式の配当課税


・平成20年度の税制改正で、上場株式等の譲渡益課税が改正されました。これに平仄を合わせるように、上場株式等の配当課税についても改正が行われ、適用は平成21年以降からです。
そこで、上場株式等の配当課税について、現行の税制を踏まえ、今後の改正について主要な内容を確認しておきましょう。

(1)平成20年の配当課税
・平成20年までの上場株式等の配当等については、10%(所得税7%、住民税3%)の税率で源泉徴収され、確定申告は不要です。もちろん、申告不要でも確定申告をすることができますが、申告した場合は、総合課税となり所得の多寡により税率5%~40%の累進税率が適用され、住民税も10%の課税があります(配当控除の適用はあります)。
・配当収入の計上時期ですが、配当の権利を取得した日や配当を受け取った日ではなく、効力発生の日(一般的には配当支払開始日と同日)が収入時期になります。
・なお、発行済株式総数の5%以上保有の大口個人株主における配当については、総合課税として確定申告が必要です。

(2)平成21年、22年の配当課税
・平成21年以降から①申告不要または②申告分離課税または③総合課税のどちらも選択できます。
・上場株式等の配当等について、一定の計算による年間合計額が100万円を超えると申告しなければなりません。申告する場合、申告分離課税の場合は、100万円以下の部分10%、100万円を超える部分20%(所得税15%、住民税5%)の税率が適用され、総合課税を選択した場合は、平成20年と同様の課税関係になります。なお、源泉徴収税率は引続き10%です。
・100万円の計算方法ですが、原則、年間の配当合計額が「1万円を超える銘柄」だけで計算します。例えば、A銘柄年間6千円、B銘柄年間5万円、C銘柄年間1万円、D銘柄年間50万円、E銘柄年間60万円だとしますと、配当の年間合計金額は、B、D、E銘柄の合計額115万円となります。

(3)平成23年の配当課税
・源泉徴収税率は20%になりますが、確定申告せずに済ませることができます。確定申告をした場合は、20%の申告分離課税と累進税率の総合課税の選択となります。

・配当税制、今後も流動的です。平成21年度税制改正から目が離せません。