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税制調査会の今年度答申


政府税制調査会(首相の諮問機関:香西泰会長)が「抜本的税制改革に向けた基本的な考え方」と題した答申を公表しました。

消費税率の引き上げ、所得税の最高税率の見直し、配偶者特別控除など各種控除制度の見直しなどについて触れていることから、概ね「増税色の強い答申」と報道されているようです。

・しかし、冒頭に「平成20年度以降どのようなタイミングで実施に移していくかについては、今後、政府において適切に判断されることを求めたい」とある通り、各税目の見直し時期についてはほとんど触れられていません。さらに、その規模や範囲について明言されている部分も見当たりませんし、意見の集約のみとなっている部分も見受けられます。

・同答申については、そもそもの政府税制調査会の役割である「中長期における税制の方向性を示す」ものと捉えておいた方がよいのかもしれません。

・なお、消費税については、「持続可能な社会保障制度を支える」中核を担うものとして位置づけられており、社会保障費の増大に対応するために、消費税の社会保障財源としての位置づけを明確にするとともに、消費税率を引き上げていく姿勢を明らかにすべきとされています。税率引き上げの時期や規模については触れられていませんが、食料品などに対する軽減税率については「効果が乏しい」と否定。また、インボイス方式への移行免税点制度、簡易課税制度の見直しなど、より透明性の高い税制への転換を図るべきと提言されています。

・個人所得課税については、累次の累進緩和の結果、我が国の税率構造が主要国に比べて特異の構造となっていると指摘。税率とその適用範囲、最高税率についての見直しの方向を打ち出しています。さらに、配偶者控除等、扶養者控除、給与所得控除、公的年金等控除などの控除制度についても、「ライフスタイルや働き方の多様化」に対応した制度に見直していく必要性を論じています。

参考URL:「抜本的税制改革に向けた基本的な考え方」