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個人事業者の消費税申告ミス多発


・最近の消費税申告で、個人事業者が業務用建物等の譲渡収入を消費税の課税売上に計上することを忘れていたことで、消費税が過少または無申告になっているケースが多発しています。

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・消費税の課税事業者の譲渡収入のうち、業務の用に供していた建物や機械などの収入は消費税の課税売上になるので、他の課税売上と合算して申告する必要があります。ところが、最近の申告内容をみると、これらの加算を失念していたために過少申告や無申告になっているケースが増えています。

(例1)
 不動産賃貸業を営む消費税課税事業者
 複数保有する貸付用賃貸マンションのうちの1室を売却して、譲渡損失が生じていました。
 ところが、そのマンションの譲渡で損失が生じていたことから、建物の売却価格を課税売上に計上する必要はないと判断して、消費税の申告を過少に行っていたものです。

(例2)
 個人病院を経営していた消費税課税事業者
 土地建物及び医療関係機器を含む事業用設備等を、負担付贈与で長男に譲渡しました。
 事業所得と譲渡所得(負担付贈与)の確定申告を行いましたが、消費税の確定申告の際に建物及び事業用設備相当額を課税売上に計上することを失念していました。

(例3)
 不動産賃貸業を営む免税事業者
 複数のマンションや事務所の貸付を行っていて、毎年900万円前後の家賃収入を得ていましたが、各基準期間とも課税売上高が1,000万円を超えなかったため、消費税の免税事業者だった場合です。
 ところが、一昨年に賃借人からの要請でマンションの1室を3,000万円(建物:2,000万円、土地:1,000万円)で売却していました。
 この譲渡で、一昨年の課税売上高が1,000万円を超えていたにもかかわらず、譲渡収入部分は基準期間の課税売上高の算定には影響しないと判断して、消費税の申告を行っていなかったのです。