更新をしばらくサボっていましたので、
今日はちょっと営業権の話をします。

「営業権」というのは、古い言葉で言うと「暖簾(のれん)」というヤツです。
余談ですが、私は大学時代に会社法の授業で、この暖簾という漢字が読めませんでした。(ダンレンなんて読んで笑われていました。)

たとえば100年続いた京都の和菓子屋があるとします。
誰でも名前を聞いただけでわかる老舗です。
同じ水羊羹でも、その店の名前がついているだけで1個300円。
スーパーなら、似たような商品が3個で300円。

このブランドの価値みたいなものが営業権なのです。

そしてもし、この営業権を第三者からお金を出して買ったら、
仕訳は、
  営業権 ××  現金預金 ××
となるので、貸借対照表にも営業権が登場します。

しかし、何百年も続いた(自然発生的な)権利であれば、
貸借対照表に出てくることはありません。

これが従来の考え方です。



ところが、資産評価においてはそうはいきません。

たとえば、さきほどの老舗の和菓子屋の例で、
創業者が亡くなったとします。

そしてもし、その店が会社組織であれば、
持ち株の評価をしなければなりません。

そしてその評価実務が今年から改正されることになりました。

簡単にいうと、
今後はキッチリと営業権を評価していくということです。


先日、その研修会に参加してきました。

細かい話は専門的になるので省略しますが、
私が驚いたのは、
従来は「開業後10年に満たない会社の営業権は評価しない」
という規定があったのが、今回の改正で廃止になったことです。

考えてみたら肯けますね。

営業権が発生するのに、時間の長さは関係ありません。
今どき、IT関連やコンピューターソフトの会社など、
創業2,3年で巨大な含み資産を有する時代です。

昔のように「創業ウン百年」ということだけで誇れる時代ではありません。

法律を作る人も、なかなか時勢を見る目があるなと、
妙なところで感心しました。

我々も負けてはいられません…