世間ではお盆休みですね。

私も休んでもよかったのですが、
結局はカレンダー通りに事務所に出ていました。

みなさんが休んでいる休日に仕事をするのは、
私はキライではありません。

電話もあまりかかってこないし、
一人でゆっくりと書類の整理や考え事ができるからです。


今年のお盆は、
大きな相続での遺産分割協議が2件ありました。

初盆で相続人の方々が集まる機会に分割協議をしました。
2件とも無事に終わることができて、
ちょっとホッとしています。

私は仕事柄、
これまで多くの遺産分割協議に立ち会ってきました。

相続は人生の縮図だといいますが、
相続を通じて、
ご家族のさまざまな部分が見えてきます。


相続人が大勢おられる相続案件でも、
私たち税理士は、
通常は1つの事案として受任します。

もし遺産分割でもめたとしても、
税理士は、弁護士のように特定の相続人だけのために代理行為をすることはありません。

相続というのは、いわば限られたパイの取り合いなので、
誰かが多くもらえば、
必然的に誰かの分け前が減るのです。

われわれ税理士は、
「こう分けたら税金はこうなります」
とは言えても、
「こう分けたらどうですか」
とは言えないのです。

これまで、
私の目の前でケンカや罵り合いが始まって、
退席せざるを得なくなることも何度かありました。

財産がなければ、争いごとも起こらなかったかもしれません。
「子孫に美田を残さず」
という言葉がありますが、
親の財産をめぐって子供たちが争う姿は、できれば見たくありません。

その意味では、
今回のHさんの相続は理想的でした。
兄弟仲良く、笑顔でハンコを押して頂いて、
残されたお母さんの介護はご長男がされるそうです。

これも、亡くなった方の人徳かもしれませんね。