私の出身は法学部。
もともと学生時代は、法曹志望でした。

紆余曲折があって、民間企業に就職し、
その後はずっと20年近く法務畑を歩んできました。

そのために、法律的な理屈っぽい考え方が身体にしみついています。

そして40歳を過ぎてから、ひょんなことで会計の世界に入って、
今の自分があります。




税理士というのは、いうまでもなく職業会計人です。

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そしてこの会計の世界と、
私が以前に身を置いていた法務の世界というのは、
まるで別世界です。

一般の方は同じ文科系だと思われるでしょうが、
会計(税務)というのは、
おカネに換算してナンボの世界。
言い換えれば、
金銭で評価できないものは、会計の対象にはなりません。

ところが法律の世界というのは、
権利とか義務とかいうおカネだけでは解決できない世界です。

賃貸借契約書ひとつを例にとっても、
会計で大切なのは、
賃料がいくらでいつ払うのか、
保証金のうち、返還されるのがいくらか、
といったおカネにまつわる現実的な話です。

でも法務では、
おカネには直接関係しませんが、
誰の義務か、どちらの責任か、といったようなことも重要なのです。

たとえば、
窓が壊れたときにどちらが修理するのかという些細なことから、
借主がどんな状態になったら、貸主は契約を解除できるか などなど・・・

私は、会計と法務というのは、
ひとつの経済事象のオモテとウラみたいなものだと思っています。

エラそうに言えば、
両方が解ってはじめて一人前ということです。

もちろん数字は大切ですが、
あまりその数字だけにこだわる職業会計人でありたくないと常々考えています。