今年の夏は、よく本を読みました。

そのなかでいちばん感動したのが『永遠のゼロ』。

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文庫本で600ページ弱の長編ですが、
読んでいくうちにグイグイ引かれて、
あっという間に読了してしまいました。

そして、衝撃のラストシーンには、思わず目頭が熱くなりました。


終戦記念日の前後は、
書店に戦争モノが並びます。

特設コーナーに平積みしてあった1冊を、
たまたま手にしてパラパラ開いたのが、
この本との出合い。


自分を幼い頃から可愛がってくれた人が、
実は本当の祖父ではなかった。

そして、本当の祖父は、
終戦の数日前に、特攻隊員として南西沖に散華していた。

若くして戦争未亡人となった祖母は、
遺児(自分の母)を連れて、今の祖父と再婚。
その後、平穏に幸せな人生をまっとうした。


こんなショッキングな事実を知った主人公が、
かつての戦友を訪ね歩いて、
本当の祖父のことを調べ始めるところから、
この物語はスタートします。

そして、元戦友たちの話から浮かびあがってくる祖父の姿は、
主人公が予想もしないものでした。

誰もが一目置くような凄腕の飛行機乗りでありながら、
妻子のために生き残ることに執着する零戦パイロット。

そして『臆病者』という不名誉なレッテルを貼られたその祖父が、最後に選んだ道は。。。


そこには、驚愕のクライマックスが待ち受けています。

「人は何のために生きるのか」という根源的なテーマを改めて考えさせられる本でした。


戦友たちの祖父に対する評価はさまざまで、これを順番に聞き取っていくうちにひとつの人間像を浮かびあがらせていくというストーリー展開は見事ですね。

しかも、あちこちに巧みに伏線を散りばめながら。。。



お勧めです。

読むなら、一気に読んで下さいね。